王家の印象。

2005年5月19日
大学時代の先輩・M氏と、兵庫県立美術館で開催中の
「ドレスデン国立美術館展」へ。(→ http://www.dresden-ex.jp/
昔(おそらく震災前)は王子公園内にあった気がするのですが、
いつの間にか臨海部のHAT神戸に移転していて二人して驚きます。

展覧会は...個々の品物はどれも素晴らしいのは確かなのですが、
期待していたほどでは、というのが正直な感想。
科学機器から磁器、絵画まで、出品物があまりに多彩すぎるためか、
全体として見るとつながりが希薄で、どこか散漫な印象を持つのです。
ドレスデン国立美術館自体が、巨大な「美術館複合体」だからといって、
限られた空間にそのまま縮小すればいいというものでもないはず...

そして例えば、本展覧会ではフェルメールの絵画が
「目玉」ともいうべき作品に位置付けられ、展示されていますが、
当時のドレスデン王の絵画コレクション中での位置付けは、
あくまでも「レンブラントの作品と間違えて購入された」絵にすぎず、
その意味において、重要性は相対的に低くなるはずだと思われるのです。
このあたりにも「後付けの意図」が透けてやや不満ではありました。
(もっとも、《窓辺で手紙を読む若い女》は普通に秀作ですけどね)

私自身が気に入ったのは、最初の部屋の「数学物理学サロン」の品々。
その中でも一番興味深く感じたのが、いわゆる「アストロラーベ」。
現在の星座早見盤の原型?ともいうべき金属製の円盤です。
#実物はデザインがもっと洗練されていましたが、大体こんな感じ。
#→ ttp://www.saundersandcooke.com/res/5.GIF

特筆すべきは、曲線で構成される表面の幾何学模様と、
各星座の位置が見事に一致させられている、という点でしょうか。
まさに、科学は「美術」となりうることを再認識させられました。
不思議の存在は、恐ろしいほどに美しい。

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